未来の問いと、次なる探求のために。
2024年に始動した「Goldwin Field Research Lab.(FRL)」による初の展示イベント「Field Report #001」を、2025年9月5日〜9日の5日間にわたり開催いたしました。
Goldwin Field Research Lab.(FRL.)は、スポーツやアウトドアアパレルの製造・販売を行うゴールドウインが、自社のモノづくりを超えて、新たなフィールドにリサーチの視点でアプローチするための実験的なプロジェクトです。
「問いと探求のフィールドワーク」、「みんなで考えて行動する実験場」として、ゴールドウインのスタッフが中心となって社内外の多様な人々と協働しリサーチ、企画、取材、編集、執筆までを自ら行い、そのプロセスを共有するメディアでもあります。
展示「Field Report #001」について
この展示は、FRLの活動を可視化し、より多くの人と「問い」を共有する試みです。災害から身体、アニミズム、故郷まで、 展示されたリサーチテーマは、次なる問いと探求へと続く種でもあります。
災害とアウトドア / Disaster & Outdoor Activities
自然災害が頻発する日本にあって、自然や環境をフィールドとする企業のゴールドウインが、そしてそこで働く人間が災害に対してできることは何か。能登半島地震の現地フィールドワークも行いながら、過酷な環境で力を発揮するプロダクトを作り続けてきたゴールドウインが行う災害支援のこれまでとこれからについてリサーチしました。
 
                   
                   
                   
                  身体と運動の想像力 / Imagination of Body Movement
スポーツや様々なアウトドア・アクティビティを推進し、人や自然の可能性を拡張する想像力を大切にするゴールドウインは、からだと想像力の関係をどう捉え、どんなアプローチをしていけるのか。自分の身体を通じて、他者の身体を感覚し、さらに社会や自然へと想像力を展開していくことができるのではないか。身体と想像力の可能性を考えます。
 
                   
                  プロダクトアーカイブ / Product Archives
「Dedication to Detail(見えないものにこそ「真実」の価値がある)」 移り変わる時代の中で、先端のテクノロジーを積極的に取り入れながらも、創業以来変わることのないモノづくりの哲学。厳選した6着のアーカイブから、まだ見ぬ未来のウエアを想像します。
 
                   
                  故郷とアイデンティティ / Homeland and Identity
紛争や気候危機など様々な理由で、“人類全体が難民化している”ともいわれる激動の時代を生きる私たちにとっての「故郷」や、そこに紐づく人々の「アイデンティティ」はどうなっていくのか? デジタル空間〜ヒップホップ〜宇宙へと飛躍していった私たちのリサーチが、不安定な時代をしなやかに生き抜くための、ひとつの視点やヒントとなれば幸いです。
 
                   
                   
                   
                  自然がひらかれるとき / When Nature Unfolds
私たちが風景を変えるとき、風景の中にいる私たちも変わってしまう。ある場所を外部へ「ひらく」ことが、そこにある自然環境や文化にどのような影響をもたらすのかを理解しておく必要があります。今回はその理解を深めるために、私たちはエベレストを有し、急速な観光地化が進むサガルマータ国立公園を訪れ、そこで今、起こっている変化をリサーチしました。
 
                   
                  わたしたち、以外の“わたしたち”へ / To the ’we‘ beyond us
「人間が地球にとって必要な生命になるために、私たちは文化をどう変えるべきか?」という問いを出発点に、人と自然の関係性を見つめ直すリサーチ。自然を資源や対象物として消費するのではなく、共に生きる存在として捉え直すヒントを「アニミズム」に求め、専門家との対話や実践を通じて新たな関係性の築きかたを模索します。
 
                   
                   
                   
                  5日間にわたり、多くの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。この場で芽生えた問いが、来場者のみなさんそれぞれのフィールドへと広がっていくことを願っています。
また、「Field Report #001」は、FRLにとっての出発点であり、同時に次なる問いを生むための中継点でもあります。今回の展示を通じて得られた反応や気づきを糧に、これからもさまざまなフィールドでのリサーチと実践を続けていきます。

 
          