商品名：スキージャケット
年代：1970年代
ブランド：Fusalp（フザルプ）

1952年にフランスで設立された世界最高峰のスキーウエアメーカー「Fusalp（フザルプ）」は、スキーブームの先駆けとなったブランド。

ゴールドウイン創業者の西田東作が、東京五輪開催前年の1964年、インスブルック冬季五輪の視察も兼ねて出向いたヨーロッパで最も衝撃を受けたのがフザルプ社のスキーウエアであり、「機能的になんとも美しい。この技術を学ばなければ、日本のスポーツウエアメーカーも日本の選手も海外勢に勝てない」と痛感する。

当時の日本のスキーウエアはいわばダブダブの割烹着のようなスタイルだったが、フザルプ社の「スノーモード」と呼ばれた最高級スキーウエアは身体の動きにジャストフィットする立体裁断を採用。曲線的な身体の線に合わせてカッティングしてあり、機能的で美しかった。

1970年にその技術を会得したいという一心でフザルプ社に通いつめた熱意が実り、提携を実現。ゴールドウインの技術者たちは、受け取ったサンプルの糸をほどいてパーツに分解し、世界最先端の技術を自分たちのものにしていった。そして先進的な立体感とデザインが、日本のスキーヤーたちの憧れとなっていった。